陶芸家・泰田 久史  =やすだ ひさし=  

=ごあいさつ=

 小峰焼のルーツは古く、豊臣秀吉の文禄・慶長の役(1592・1597)にまで遡ると思われます。作品は、前期には地元「土取迫」の土を使用した陶器が、後期には天草陶石のほか、五ヶ瀬川の川沿いや行縢山の山腹から採取した原料を元に、磁器が作られたと考えられます。

 歴史、稼動時間、技術からみて、間違いなく宮崎県の第一級伝統工芸品です。
しかし、昭和30年代に大掛かりな発掘調査が行われ、延岡市指定史跡になったにもかかわらず、その知名度は低く、存在は地元の人の記憶からも消えつつありました。

 今回、150年振りに地元小峰町の絶大なる支援を頂き、初期小峰焼の再生を目指しました。とりわけ、不明になっていた「土取迫」や「陶工の墓」を再発見された甲斐盛豊氏の功績は大きく、作品はまさに氏との共同制作にほかなりません。

 制作の途中、何度も古いやきものに手を触れ、先人たちの思いを汲み取ろうとしました。まだまだ勉強中で、当時の労苦を思えば再生とするにはおこがましいばかりですが、「眠っているふるさとの宝」にもう一度目を向けるきっかけになれば幸甚の至りです。  

 




  2011年7月 泰田久史  

=経 歴=  
 
    
「岳 映」 日展入選作
 1964年  宮崎県延岡市生れ 
 1987年  鹿児島大学卒業後、小学校、中学校、高校教諭、短大准教授等歴任
 1996年  宮崎県綾町南俣に八衛門窯を開窯し、制作活動を展開する 
 2008年  綾町北俣に窯を移転。現在 綾町在住
 =主な陶歴= 
 日展入選 10回 / 日本現代工芸展 現代工芸賞   
 現代工芸美術九州会展 大賞第1回青木龍山賞 / 宮崎県美術展 工芸部門大賞            
「降臨の里」
2009年 現代工芸美術九州会展 
  青木龍山賞受賞作 (延岡市蔵)
 
 宮日総合美術展 特選宮崎日日新聞社賞 / 宮崎総合美術展 部門大賞
 天皇皇后両陛下用湯呑制作等
宮崎県文化賞 (2014年) / 皇太子殿下行啓 湯呑制作(2015年)
 
 宮崎の青い空をイメージした「岳映」シリーズや、神々の里・高千穂の雲海をイメージした「降臨の里」シリーズは地元の自然や風物を題材にした作品として全国で高い評価を得ている。

 2009年より小峰焼の研究を始め、地元小峰町の住民の協力を得て小峰焼の再生に成功。2011年に延岡総合文化センターにて「小峰焼再振興への試み~序〜」と題した作品展を開催。講演会を行うなど小峰焼の再生に力を入れている。

 =現在=
 日展会友 現代工芸美術家協会本会員 宮崎県民俗学会会員  小峰焼保存会会員
 (2014年10月現在)